DAC8とは?スペインで暗号資産の匿名性が終了 — 2026年から税務報告義務化
EUのDAC8指令により、2026年1月から取引所はユーザーの身元と取引をスペイン税務当局へ自動報告する義務を負います。何が変わり、利益にどう課税されるのかを解説します。
2026年は、スペインにおける暗号資産の匿名性が事実上終わる年となります。EUのDAC8指令が2026年1月1日に発効したことで、取引所をはじめとする暗号資産サービスプロバイダー(CASP)は、顧客の身元と取引を収集し、スペインの税務当局AEATへ自動的に報告する義務を負うことになりました。
DAC8は何を義務付けるのか
DAC8(行政協力指令)は、CASPに対してユーザーのデータを収集し、各国の税務当局と共有するよう求めます。CriptoNoticiasによれば、報告はまず顧客の特定情報 — 氏名、住所、税務上の居住国、納税者番号 — から始まり、続いて次のような取引の詳細に及びます。
- 暗号資産と法定通貨の交換
- 暗号資産同士の取引
- ウォレット間の送金
- ステーブルコインの移転
- 暗号資産に紐付くカードによる一部の取引
スペインは財務省主導の勅令によって指令を国内法化しています。事業者は2027年1月31日までに最初の報告を提出しなければならず、AEATはその後2か月以内に顧客の居住国へデータを引き渡します。
「Modelo 721」も引き続き適用
DAC8はModelo 721に取って代わるものではありません。これは、国外で保管する暗号資産の合計額が12月31日時点で5万ユーロを超えるスペインの税務上の居住者が提出しなければならない情報申告書です。
- 税金ではない: 情報申告であり、それ自体で納税は発生しません。
- 提出期間: 翌年の1月1日から3月31日まで。
- 罰則: 未申告のデータ1件につき最大5,000ユーロの制裁金。
利益への課税の仕組み
報告義務とは別に、暗号資産の売却益はスペインの個人所得税(IRPF)で貯蓄所得として課税され、税率は区分に応じて19%から30%、非課税枠はありません。暗号資産を購入して保有するだけ、あるいは自分のウォレット間で移すだけでは課税対象にはならず、利益を伴う売却・交換・支払いの時点で課税が発生します。
まとめ
2026年1月からのDAC8の発効と、すでに定着しているModelo 721により、スペインの税務当局は居住者の暗号資産の動きをほぼ完全に把握できるようになります。実務上のメッセージは明快です — トレーサビリティ(追跡可能性)はもはや標準であり、取引と利益を正しく申告することは選択肢ではなく義務です。
本記事は上記の出典に基づくニュース要約です。一般的な情報提供のみを目的としており、税務・投資助言ではありません。個別の状況については資格を持つ専門家にご相談ください。