米財務省、GENIUS法に基づく中小ステーブルコイン発行体の州監督ルールを公表
米財務省が暫定最終規則を公表。発行残高100億ドル未満のステーブルコイン発行体は、州の規制が連邦枠組みと「実質的に同等」と認定されれば州の監督を選択できます。GENIUS法の枠組みが変えるものを解説します。
米財務省は、GENIUS法の下で州が中小規模のステーブルコイン発行体を監督するための連邦承認を得る手続きを定めた暫定最終規則(interim final rule)を公表しました。同法が定める連邦・州の二重構造を実際に機能させるための重要な一歩です。2026年10月1日付のLowenstein Crypto Briefによると、規則は9月30日に発出され、州が資格を得るために従うべき様式と手続きを定めています。
州の規制を選択できるのは誰か
報道によれば、GENIUS法の下では、決済用ステーブルコインの発行残高が100億ドル以下の州認可発行体は、連邦の規制体系をデフォルトとせず、州の規制を選択できます。この基準を超える大規模発行体は連邦の監督下に入ります。
資格を得るには、州の規制当局が、自らの規制体系が連邦の枠組みと「実質的に同等(substantially similar)」であることを証明しなければなりません。この認定は自動ではありません。Lowensteinによれば、財務長官、FRB(連邦準備制度理事会)議長、FDIC(連邦預金保険公社)トップらで構成される「ステーブルコイン認定審査委員会」の承認が必要です。
ステーブルコインと証券該当性の問題
報道はまた、これらのトークンが米国法全体でどう扱われるかに関わる重要な点にも触れています。GENIUS法の発効日以降、許可を受けた決済用ステーブルコイン発行体が発行する決済用ステーブルコインは、法律の規定により証券に該当しないことになります。この分類は、どの規制当局が管轄権を持ち、どの開示ルールが適用されるかを左右します。
準備金の裏付け、独立した証明、償還権といった基礎概念については、ステーブルコイン規制の解説記事で、世界の規制当局が注目する3本柱を詳しく説明しています。
実務上の意味
利用者と発行体にとって、この暫定規則はコンプライアンスの地図をより明確にします。
- 中小発行体には、州が連邦基準を満たすことを条件に、なじみのある州規制当局の下にとどまる明確なルートが用意されます。
- 連邦のバックストップは維持されます。認定が連邦高官による委員会を経由するためです。
- 一貫した最低基準が生まれます。「実質的に同等」な州の規制体系は、連邦基準から乖離するのではなく、それに追随する必要があるためです。
ステーブルコインは、送金をめぐるより広いコンプライアンスの枠組みの中にも位置づけられています。コインが当事者間を移動する際の情報共有義務については、暗号資産のトラベルルールの解説記事をご覧ください。
まとめ
財務省の暫定最終規則は、GENIUS法の二重トラック設計を実際に運用可能なものにしました。州の規制体系が連邦のものと「実質的に同等」と認定されれば、州は発行残高100億ドル未満のステーブルコイン発行体を監督でき、最終判断は連邦高官による委員会が握ります。Lowenstein Crypto Briefによれば、これは手続き面の基盤整備であり、実際の効果は、どの州が認定を求め、委員会が基準をどう適用するかに左右されます。
上記の報道に基づくニュース要約です。ルールは変化し続けます。本記事は法律・金融上の助言ではありません。